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自治体DXニュース:Vol.4(2024年10月)

自治体DXニュース:Vol.4(2024年10月号)

自治体DXニュースは、全国の自治体が取り組むデジタル化に関する最新情報をお届けします。今回は神奈川県横須賀市の市長アバター、埼玉県鴻巣市のAIによる交通事故予測、北海道のAI全面導入について紹介します。


生成AIを活用した市長アバターが、英語で情報を発信(神奈川県横須賀市)

神奈川県横須賀市で、2024年4月、AIを活用して生成した市長のアバターが誕生しました。この市長アバターは英語で市の情報を発信しています。​横須賀市は国際色が強く、多様な文化が交錯する町です。市長アバターの導入には、言語の壁を低くし、情報が多くの市民に届くよう工夫するという狙いがあります。

市長アバターは主に定例記者会見を英語に翻訳し、市の情報を映像を通して伝えています。映像では市長が流暢に英語をしゃべっているように見えます。横須賀市に住む外国人からは、「母国語である英語で市長が話しているように見えるので、胸に響く」といった感想がありました。

市長アバターに使用しているのは、海外のAI動画生成ツールです。まず市長が話している様子を3分間撮影して動画をつくり、アバターを作成。次に、話した内容を英訳したテキストを入力して動画にします。このツールには本人認証機能が付いているため、別の人が市長になりすますなどの悪用を防ぐことができます。

横須賀市のデジタル・ガバメント推進室の担当者は「今後は防災や観光などについてもメッセージを出していきたい」と話しています。

**●詳しい情報は以下のリンクをご覧ください。 **


AIが予測した、交通事故リスクの高い場所を公開中(埼玉県鴻巣市)

埼玉県鴻巣市は2024年3月末から、交通安全対策のひとつとしてAIの活用を始めました。AIデータ解析で算出した交通事故発生リスク値を電子地図上に表示する「事故発生リスクAIアセスメント」を、埼玉県内で初めて導入しています。

これまでの交通安全対策は事故が発生した場所に対して実施する「再発防止型」でしたが、AIが解析した危険箇所の活用により「未然防止型」の交通安全対策を実施しています。

道路状況や走行データなど事故と相関関係が深い要因データを組み合わせてAIが発生リスクを算出した地図は、鴻巣市地理情報提供システム「こうのとりっぷ」で公開しています。鴻巣市内の人身事故件数は、2021年は177件、2022年は203件、2023年は240件と増加傾向にありました。

今後はリスク値を活用し道路管理者や警察と連携した交通事故防止対策に取り組み、交通事故の減少を図っていくことを考えています。

鴻巣市市民生活部自治振興課の担当者(防犯・交通担当)は、「市民の皆さまには、お住まいの地域で危険と思われる路線や交差点について認識いただき、日ごろから十分に気を付けていただければ」としています。

「こうのとりっぷ」の画像。赤い太線はリスク値が高い路線、赤いアイコンはリスク値が高い交差点、青いアイコンは過去の交通事故発生地点を表しています。青いアイコンをクリックすると事故情報が見られます。(鴻巣市Webサイトより)

「こうのとりっぷ」の画像。赤い太線はリスク値が高い路線、赤いアイコンはリスク値が高い交差点、青いアイコンは過去の交通事故発生地点を表しています。青いアイコンをクリックすると事故情報が見られます。(鴻巣市Webサイトより)


文書作成やアイデア出しにも役立つ生成AIサービスの導入(北海道)

北海道は2024年6月から、ChatGPTなどの生成AIサービスを業務に全面活用できるようにしました。2023年10月から2024年3月にかけて、希望する職員300人で生成AIを試行したところ、「業務に役立つ」といった声が多く寄せられたことから導入を決めました。

利用にあたっては、試行期間中に使用していたガイドラインを更新し、ルールを定めています。ガイドラインには「個人情報をはじめ法令・契約により非公開とされている情報等を入力しないこと」「個人情報を入力しない」「出力情報が正しいかは自分で確認する」「権利関係を侵害していないか確認する」といった項目があります。よりよい回答が得られるようにほかの自治体が作成したプロンプトの事例もガイドラインで紹介しています。

職員は文書作成やキャッチコピーのアイデア出し、文章の要約、エクセルの関数作成などに活用しています。北海道総務部イノベーション推進局情報政策課の担当者は「職員の業務改善が図れればうれしい。効率よく使ってもらいたい」と期待しています。

**●詳しい情報は以下のリンクをご覧ください。 **
道における生成AIサービスの利用について - 総務部イノベーション推進局情報政策課


2024年11月5日「共創PFキャンプ in 関東」開催(茨城県つくば市)

デジタル庁のデジタル改革共創プラットフォーム事務局は、2024年11月5日、関東エリアの自治体職員同士が共に学べる勉強会「共創PFキャンプ in 関東 国・地方ネットワークの将来像を描く 編」を茨城県つくば市役所内で開催します。

「共創PFキャンプ」は、自治体職員が共に学び合える勉強会として、地域ごとに不定期で開催しています。自治体間の事例やナレッジ共有を促し、ラーニングコミュニティとしての機能をより充実させることを目的としています。

今回は、「国・地方ネットワークの将来像を描く」を掲げ、今後のネットワーク環境のあり方や運用管理を含めた課題の共有や取組、ゼロトラストアーキテクチャの取り入れ方などを考え、学ぶ内容になっています。

また、勉強会冒頭では、国として検討している内容についてデジタル庁より共有します。その他、デジタル庁職員によるアナログ規制の見直しについての紹介や、共創PFの活用のためのワークショップなども実施します。

日時:2024年11月5日(火)14時00分~17時30分(開場13時30分)
場所:つくば市役所コミュニティ棟会議室1・2・3
登壇:西村 雅樹(デジタル庁)、北川 淳(デジタル庁)、横田 雅代氏(茨城県つくば市)
対象:関東エリアの自治体職員、1自治体 原則3名まで(先着50名)
申込:参加フォーム(URL)につきましては、共創PFにてご確認ください
締切:2024年10月28日(月)17時
備考:オンライン配信はありません


●デジタル庁ニュースでは、地方自治体におけるDXに関する記事を掲載しています。以下のリンクをご覧ください。

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