本文へ移動

自治体DXニュース:Vol.2 (2024年8月)

自治体DXニュースは、全国の自治体が取り組むデジタル化に関する最新情報をお届けします。今回は、3自治体のAIチャットボットの導入、実証実験について紹介します。


全国初、「悩み相談AIチャットシステム」の提供を開始(千葉県柏市)

千葉県柏市は2024年4月1日から、自治体としては全国初となる「悩み相談AIチャットシステム」を導入しました。

このチャットシステムは、「柏市地域生活支援センター(あいネット)」のWEBサイトからアクセスでき、いつでも待ち時間なしで悩み事を相談できます。

スマートフォンから気軽にAIに悩みを相談できることもあり、2023年度の実証実験では、利用者の約75%が10~20代でした。

この結果について柏市の担当者は、「『悩み相談AIチャットシステム』で、今まで支援が届きにくかった若年層にアプローチできたことは非常によかったです。対面で悩みを相談することに心理的なハードルが高い、と思われる若年層の方でも、AIならかしこまらずに相談できるので、心が軽くなる一つのツールとして皆さんに気軽に利用してほしいです」と語ります。

現在のシステムは、悩みの傾聴に重点を置いていますが、今後は必要に応じて行政窓口や支援機関と連携し、悩みを抱えている人の心を軽くするために、相談員が寄り添える仕組みづくりを進めていく方針です。

●詳しい情報は以下のリンクをご覧ください。


AIとの会話で引っ越しの疑問を解決する実証実験を実施(神奈川県横浜市)

神奈川県横浜市は2023年12月26日~2024年3月31日、引っ越し関連業務の相談に、AIが口頭で対応するナビゲーション型対話AIの実証実験を行いました。

ナビゲーション型対話AIは、利用者が「転出届を出したい」などと電話で伝えると、AIが音声で担当課や必要な書類などを案内するものです。

プロジェクトの担当者である横浜市 市民局窓口サービス課 担当課長の小林 真紀氏(取材当時)は、「毎年12月末~3月末は、引っ越し関連の相談が増える時期のため、24時間対応可能なシステムの需要は高いと判断し、実証実験を行いました。閉庁している12月29日~1月3日の年末年始の期間にも電話があり、AIが問い合わせに対応してくれました」と話しています。

実証実験は、神奈川県横浜市旭区と中区の2つの区で行われ、138件の問い合わせにAIが対応しました。AIが対応できず職員に転送された割合は8.7%で、80%以上がAIのみで問い合わせ対応を正常に完了できました。

小林氏は、「ナビゲーション型対話AIは、市民サービス向上、職員の業務改善に貢献できるシステムだと考えています。実証実験の結果を引き続き検証し、行政サービス向上に努めてまいります」と語りました。

●詳しい情報は以下のリンクをご覧ください。


子育てに特化したAIチャットボットが育児をサポート(宮城県富谷市)

宮城県富谷市は、仙台市が通勤圏内であること、市内への企業立地が進んでいるといった要因から、人口増加が続く地方都市です。

若い世帯も多く、子育てに関する相談が多いことから、富谷市は「子育て支援AIチャットボット」の実証実験を2024年2月16日~3月15日実施しました。

この実証実験は、民間事業者と連携して地域課題や行政課題を解決する「おためしイノベーションTOMIYA 2023」の一つとして選定されました。

担当の富谷市 産業観光課の髙橋 嘉人氏(取材当時)は「『子育て支援AIチャットボット』には、1か月間で600件以上のアクセスがありました。この数字は、子育てチャットボットを利用している同規模のある自治体と比較すると、2倍以上の方にご利用いただいたことになります」と実証実験の成果を語ります。

今後は、行政課題の一つでもある外国人労働者の増加に対応するための多言語化なども検討し、本格導入に向けて、実証実験の検証を行っていくとのことです。

●詳しい情報は以下のリンクをご覧ください。


●デジタル庁ニュースでは、地方自治体におけるDXに関する記事を掲載しています。以下のリンクをご覧ください。

●デジタル庁ニュースの最新記事は、以下のリンクからご覧ください。