【アナログ規制の見直し】沖縄県糸満市への「個別型支援」に密着取材

公開日:: 2025年3月27日

デジタル庁では、人の目や対面での対応を求める「アナログ規制」の見直しを進めています。これまでに見直し対象となった国の法令等のアナログ規制については、ほぼすべての見直しを完了し、さらに、地方公共団体のアナログ規制見直しを促進するための支援にも取り組んでいます。

アナログ規制の見直しとは？

これまで我が国では法令等の定めに基づき、河川や橋、ダム、危険物の保管場所、一定規模の商業施設など、一部の建物・構造物の管理状況や損傷状況などについて、人が現地に行き、目で見て調査・点検・検査することが義務付けられてきました。

こうした「人の目による確認」「書面での掲示」「対面での申請」など、デジタル技術が登場する以前に定められたアナログ的な手法による対応を前提とした古い規制のことを「アナログ規制」と呼びます。

国においては、この「アナログ規制」を大きく以下の7つに分類し、更にこれに加えて、使用する記録媒体をフロッピーディスク等に限定するような規制もアナログ規制として取り扱い、全府省庁が一体となって見直しを進めてきました。

●アナログ規制見直しの取組については、以下もご覧ください。

【住民の不便を解消！】福岡市が行った“アナログなルール”の見直し｜デジタル庁ニュース

第7回デジタル関係制度改革検討会「アナログ規制の見直しに係る取組の概要について」[PDF]（2024年9月25日）から、代表的なアナログ規制である7項目を記載

（第7回デジタル関係制度改革検討会「アナログ規制の見直しに係る取組の概要について」[PDF]（2024年9月25日））

国の法令等については、見直し対象となったほぼすべての規制の見直しが完了したことで、新しい技術を含めた多様な技術の活用が様々な分野で可能となり、「制度の見直し」と「技術の実装」の好循環が生まれています。

特に地方において急速に人口減少が進む中、国だけでなく、地方公共団体においてもアナログ規制の見直しを通じてデジタル技術を活用可能な環境を整備し、デジタル技術も活用しながら、人手不足の解消という喫緊の課題を解決していくことが重要です。

そして、アナログ規制の見直しを通じて活用が想定されるデジタル技術は、最新の技術や高度な技術ばかりではありません。オンライン会議システムやスマートフォンなど、最近では身近でありふれたものとなった技術を含めて活用することで、限られた人的資源の下であっても、住民の利便性の向上や生産性の向上などの実現につなげていくことができます。

デジタル庁「アナログ規制の見直しに係る取組について」[PDF]（2025年3月）より、アナログ規制の見直しの効果を記載

（デジタル庁「アナログ規制の見直しに係る取組について」[PDF]（2025年3月））

各地方公共団体の課題に寄り添う「個別型支援」

デジタル庁資料より、デジタル庁が提供する地方公共団体に対する総合的支援の全体像（イメージ）の画像

（デジタル庁資料）

デジタル庁では、こうした各地方公共団体におけるアナログ規制見直しの取組を加速していただくため、従前から提供している全国の地方公共団体を対象とした「一般型支援」に加えて、令和6年度の秋から、対象の地方公共団体の個別課題等に応じた寄り添い方の支援である「個別型支援」の提供を開始しました。

デジタル庁と糸満市の職員が打ち合わせをする様子

（個別型支援では、対象の地方公共団体が抱える課題や地域の実情等を丁寧に聴き取り、直接現地を訪問して行う説明会や個別相談を含め、様々な形で各団体の取組を支援します）

個別型支援では、対象の地方公共団体ごとにデジタル庁の担当職員を設定し、その団体の個別課題やニーズ等に寄り添った支援を提供します。現在、応募があった団体の中から31団体を対象団体に選定し、各団体と相互にコミュニケーションをとりながら、令和7年度末までを期限として支援を提供しています。

対象団体の一つが、沖縄本島の最南端に位置する沖縄県糸満市です。

糸満市の風景の写真

（糸満市の風景）

糸満市には、これから取組を進める上での機運の高まりや理解が不足している等の課題があったため、糸満市とも相談し、まずは、現地説明会を開催することとなりました。

2025年2月、アナログ規制見直しの取組に向けた糸満市の機運を醸成するための全庁説明会が開かれ、デジタル庁の担当職員が糸満市役所を訪問しました。説明会では、市のほぼすべての部局から参加した約50人の職員に対し、デジタル庁職員から、取組の必要性や意義、効果、国や他の地方公共団体における先行事例などについて説明を行い、取組を呼びかけました。

デジタル庁では、こうした個別型の支援を通じ、対象団体の取組への支援を提供するだけでなく、そこで得られた成果やノウハウを横展開していくことで、アナログ規制見直しの取組を全国に広げようと考えています。

糸満市役所で開催された説明会の様子の写真