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テクノロジー責任者が語る「行政DXの未来」 デジタル庁 チーフテクノロジーオフィサー 藤本真樹

2021年9月のデジタル庁発足時からCTO(チーフテクノロジーオフィサー)を務める藤本 真樹が、これまでの行政DX(デジタルトランスフォーメーション)の進捗や行政サービスにおけるアクセシビリティの必要性、ユーザビリティの向上、そして、DXで目指す未来について語りました。

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行政におけるサービス開発の難しさとは?

CTO 藤本真樹のウェストショット。オフィスのカウンターを前に座って、ノートパソコンを操作している様子を左側から撮影している。藤本は白いパーカーを着ている。

CTO就任以来、行政DXを推進してきた藤本は、これまでの業務を通じて得た実感をこう語ります。

「CTOに任用されて2年あまり。これまでDXに関するさまざまなプロジェクトを推進してきました。プロジェクト単位だけでなく、デジタル化に関する総合的な技術レベルの底上げにも取り組んでいく必要があります」

藤本が取り組んできたプロジェクトのひとつが「政府共通決済基盤」。国や自治体の手数料などをキャッシュレス納付できるようにするサービスです。

「これから少しずつ広げていく段階ですが、サービスに合わせていちいちシステムを開発しなくて済むプラットフォーム指向の仕組みづくりを、本当に手をかけてやりました。この2年あまりで一番印象深いプロジェクトでした」

●「政府共通決済基盤」に関する情報は、以下のリンクをご覧ください。

デジタル庁のCTOとして挑む課題解決とは?

藤本のウェストショット。オフィスのカウンターを前に座って、ノートパソコンを操作している様子を右斜め後ろから撮影している。

デジタル庁のCTOに加え、民間のIT企業でもCTOを務める藤本。デジタル庁CTOへの就任理由を、次のように説明します。

「ひと言で言えば、デジタル化を通じて大好きな日本をもっと良い国にする取り組みに役立てるかもしれないと思ったこと。日本は少子高齢化や人口減少といった課題を抱えています」

人口減少が進み、働き手不足が顕在化する日本が成長を続けるには、一人あたりの生産性向上が不可欠です。

「日本の未来を明るいものにするには、デジタル化による効率アップが絶対に必要だと思います。ソフトウェアの世界で培ってきたスキルを、今こそ生かしたいと考えています」

行政手続きにかかる費用や時間の大幅削減を目指す行政DXは、日本の競争力を引き上げる重要な取り組みと言えます。

行政で必要なのはアクセシビリティ

藤本のバストショット。オフィスのカウンターを前に座って、ノートパソコンを操作している様子を左側から撮影している。左手を口元に当てて、何か考えているようにも見える。

行政サービスが民間サービスと大きく異なるのは、対象者が国民全員であることです。民間であればサービスをリリースし、一部の顧客の支持を得られれば成立しますが、行政の場合にはそうはいきません。

そのため、様々な人々が等しく利用できるアクセシビリティが強く求められます。

「行政システムは、使いたい人が使えればいいわけではありません。デジタル機器の操作に不慣れな方はもちろん、視力や聴覚の弱い方、身体に障害を抱えておられる方など、ユーザーは多種多様。その誰もがメリットを享受できることが要求されます」

開発においては、民間の経験が生きる部分もあると藤本は言います。行政DXにおいても、内容が同じサービスでも使い勝手やデザインによって満足度に違いが出るため、より積極的に使ってもらうための工夫が必要です。

未来を見据えて一歩一歩進むことが大切

藤本のウェストショット。オフィスのカウンターを前に座って、ノートパソコンを操作している様子を左斜め上から撮影している。

藤本が取り組む政府共通決済基盤は、これから構築される行政DXインフラの一部です。その全体像は、まだ完成していません。大規模なシステム開発をやり遂げるには、どれだけ時間がかかっても諦めることなく、開発を前進させていくことだと藤本は言います。

中長期視点での開発が欠かせない行政DX。未来を見据えた開発において大切なことを、藤本はこう話します。

「10年、あるいは20年単位で時間がかかったとしても、途中で諦めないこと。(CTO就任から)2年あまりの間、一見ほとんど変わっていないようでも、実は着実に進んでいます。一歩一歩進むことの重要性を、常に認識したいところです」

藤本のウェストショット。オフィスの中で、正面を向いてにこやかな表情で立っている。

デジタル庁 CTO(チーフテクノロジーオフィサー)
藤本 真樹(ふじもと・まさき)​

(※所属・職名などは取材時のものです)


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