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自治体DXニュース:Vol.5(2024年11月)

自治体DXニュース:Vol.5(2024年11月)

自治体DXニュースは、全国の自治体が取り組むデジタル化に関する最新情報をお届けします。今回は、群馬県桐生市の日本版ライドシェア事業に向けた取り組み、新潟県胎内(たいない)市の防災アプリ、高知県宿毛(すくも)市のマイナンバーカードを活用したポイント制度について紹介します。


「日本版ライドシェア」事業を申し出(群馬県桐生市)

一般のドライバーが自家用車を使って客を有料で運送する自家用車活用事業「日本版ライドシェア」。日本版ライドシェアは、タクシー事業者が運営主体となり、住民の移動手段の確保が難しい「交通空白地」の解消に向けた取り組みです。

群馬県桐生市はタクシードライバーの高齢化やコロナ禍によって離職したドライバーの復職が進まないなど、タクシードライバー不足解消のため、2024年8月、国土交通省関東運輸局 群馬運輸支局に日本版ライドシェアを実施する申出書を提出しました。毎週月~日曜日の0~14時に5台、月~木曜日、日曜日の17~24時に5台、金、土曜日の17~24時に10台の車両を確保し、一般ドライバーの活用によりタクシー不足を補う狙いです。
桐生市の担当者は事業開始について、「タクシー不足解消のため一日も早く始めたい」としています。タクシー事業者による事業実施の許可申請を経て、11月内の運用開始を目指しています。

●詳しい情報はこちらから
https://www.city.kiryu.lg.jp/kurashi/kotsu/1024303.html


防災アプリで災害対策(新潟県胎内市)

新潟県胎内(たいない)市は、2024年3月から「胎内市防災アプリ」の運用を開始しました。胎内市防災アプリは、災害時に避難情報などをプッシュ通知で迅速に情報共有したり、災害用伝言板をアプリ内で利用できたりするなどのメリットがあります。

これまで胎内市は「防犯・防災メール」を活用してきましたが、今回のアプリへの移行によって防災行政無線の放送内容などをタイムラグなく通知できるようになりました。

胎内市防災アプリには、地震、水害や土砂災害などのハザードマップや備蓄品リスト、避難所一覧などの情報も組み込まれています。また、防災対策の担当者は、「市内在住者以外でもアプリを利用できるため、胎内市に家族や友人などがいる遠方の方も災害情報をリアルタイムで閲覧できます」と語ります。

2024年9月末時点で胎内市防災アプリの登録件数は約3000件となっていますが、より多くの方に活用してもらうため、防災講演会や防災訓練などの機会にアプリの登録を呼びかけていきたい、と胎内市では考えています。

●詳しい情報はこちらからhttps://www.city.tainai.niigata.jp/kurashi/bosai/bosai/bousai_app.html


マイナンバーカード用いた独自のポイント制度スタート(高知県宿毛市)

高知県宿毛(すくも)市は2024年3月から、マイナンバーカードを用いたポイントサービス制度、宿毛マイナンバーカードサービス「宿毛ID」を開始しました。宿毛IDは、市民などが公的施設を利用するとポイントがたまり、景品の抽選に参加できるなどの仕組みです。

宿毛市はマイナンバーカードの普及に力を入れており、2021年7~12月には、マイナンバーカードの交付率の高さが全国の市区で4位になったこともあります。

そこで市は、交付率の高いマイナンバーカードを活用して「宿毛ID」を始めました。マイナンバーカードに搭載されたICチップの空き容量となる部分に自治体独自のIDを入れ、市内にある図書館などの公共施設の利用時や講演会などのイベントに参加した際に、マイナンバーカードを提示するとポイントが貯まるようにしました。

利用者は一定のポイントが貯まると、景品の抽選への応募や市民から募集した宿毛市をよりよいまちとするためのアイデアへ寄付することが可能です。第1弾の寄付事業として、高知県立宿毛高校の生徒が発案した「駅前公園津波避難タワーへの公衆無線Wi-Fiの整備」への寄付を募集し、目標値までポイントの寄付が達したことから年度内の実現に向けて進んでいます。

宿毛市は今後、宿毛IDを通じて把握できる施設利用やイベントへの参加状況をデータプラットフォーム上に集積し分析することで、よりよい政策立案につなげ、市民の利便性向上に活用していく考えです。

宿毛IDの寄付事業第1弾において、目標ポイント達成の報告会に出席した発案者の高校生と職員、関係者。(宿毛市提供)

宿毛IDの寄付事業第1弾において、目標ポイント達成の報告会に出席した発案者の高校生と職員、関係者。(宿毛市提供)

●詳しい情報はこちらから
https://www.city.sukumo.kochi.jp/docs-05/37316.html

「宿毛ID」を活用した「未来投資型寄付」第1弾達成についてはこちらからhttps://www.ntt.com/about-us/area-info/article/20240729.html


●関連情報:
・自治体DXニュース:Vol.4(2024年10月)|デジタル庁ニュース
https://digital-agency-news.digital.go.jp/articles/2024-10-22

・自治体DXニュース:Vol.3(2024年9月)|デジタル庁ニュース
https://digital-agency-news.digital.go.jp/articles/2024-09-27

・自治体DXニュース:Vol.2(2024年8月)|デジタル庁ニュース
https://digital-agency-news.digital.go.jp/articles/2024-08-20