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都副知事からデジタル監に 3 つの質問 「防災 DX」「デジタルツール」「DX 人材」 東京都 副知事 宮坂 学×デジタル庁 デジタル監 浅沼 尚 後編

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東京都 副知事 宮坂 学氏とデジタル庁 デジタル監 浅沼 尚。それぞれの立場で行政のデジタル化を実践する2人が互いに、「今、聞きたいこと」や「気になること」をそれぞれ3つずつ質問。

後編は、宮坂 副知事から浅沼 デジタル監に、「防災DX」「デジタルツール」「DX人材」の3つについて質問していきます。

動画の内容をテキストで読む

●前編は以下のリンクからご覧ください。

質問①「防災に関してデジタル技術でできることは?」

「デジタル技術を使って防災の分野でどういうことができるか」と質問する東京都 副知事 宮坂 学氏。

(「デジタル技術を使って防災の分野でどういうことができるか」と質問する東京都 副知事 宮坂 学氏)

宮坂 デジタル分野でできることの一つに防災があると思います。今年、能登半島地震があり、今もたくさんの方々がご苦労されています。デジタル庁として、デジタル技術を使って防災の分野でどういうことができると考えていますか?

浅沼 デジタルの分野で言うと、情報連携基盤を国として整えていこう、アプリを乱立させずにアプリやサービスのカタログをつくりましょうなど、災害が起こる前の準備をデジタルでどこまでやっていくかが直近の取り組みです。一方で、今回の地震を受けて、復旧・復興段階で何をするかを調査して、どんな手を打てるのかを調べています。

現在もデジタル庁から被災地に数名がチームとして行っています。官民の連携で「防災DX官民共創協議会」を立ち上げており、そこに民間の防災領域で知見のある方々が集まっています。何か起きた時にその方々がボランティアのようなかたちで災害地に行く時に、デジタル庁が、ある意味公認というかたちで送り出すような取り組みは大事だと考えています。

「災害が起こる前の準備をデジタルでどこまでやっていくかが直近の取り組み」と語るデジタル庁 デジタル監 浅沼 尚。

(「災害が起こる前の準備をデジタルでどこまでやっていくかが直近の取り組み」と語るデジタル庁 デジタル監 浅沼 尚)

質問②「どんなデジタルツールを使うべき?」

「コンセプトは公共は一つ=ワンパブリック。デジタル空間上は一つの世界観でつくっていくことが大事」と語る宮坂 副知事。

(「コンセプトは公共は一つ=ワンパブリック。デジタル空間上は一つの世界観でつくっていくことが大事」と語る宮坂 副知事)

宮坂 遠くで災害があった際など、東京都やデジタル庁とコミニケーションするツールは、今後どうしていくべきだろうかと考えています。メールの場合、どんなメールソフトでも相互にやりとりできますが、チャットやビデオ会議の場合はさまざまなツールがあるので、やはりメールと電話でやりとりするしかないとなってしまうと思います。

自治体によっては、職員が業務でスマートフォンを使えないケースもあって、プライベートのLINEを使うしかないところもあると聞いています。働くツールをモダンにするのは大事だと思っています。

浅沼 同じ機材やソフトウエアを入れられるといいよねという話をしていました。能登地震の前に、内閣府のシステムをデジタル庁で整備していたので、非常に良かったという話は聞いています。これを機に他の省庁も一緒になってくると、インフラがちぐはぐなことにはならないと思っています。

宮坂 コンセプトは「公共は一つ=ワンパブリック」だと思いますね。自治体や都道府県など、プレイヤーはたくさんいてもいいですがワンパブリック。特にデジタル空間上はできるだけ一つの世界観でつくっていくことが大事だと思います。ガイドラインやノウハウの共有は、絶対にやった方がいいと思います。

浅沼 デジタルの文脈で、将来にわたって品質が高い行政サービスを日本全国に行き渡らせるのがテーマだと感じています。全国1,700の自治体がバラバラにつくっていくのはサステナブルではありません。人口20万人以下の基礎自治体が今後、自分たちのシステムを企画して開発してメンテナンスするのは難しいのが実態です。

宮坂 そうですね。今って、我々の親の世代と比べると、引越しや2拠点生活も広まってきました。そんな中で、前の町はデジタルだったのに、今度の街ではできないというのは変な話ですよね。

浅沼 行政の手続きは、そこに喜びや楽しさを感じるものではないので微妙な差異化に意味はなく、全部同じでもストレスがなくなればいいですよね。むしろ、手続きしなくていい状態を目指すのであれば、同じサービスを共有していくのが良いと思います。国や広域自治体、基礎自治体という垣根をとりあえず置いておいて、今後、日本のインフラをどうつくっていくかを一緒に議論できるといいなと思っています。

(「今後、日本のインフラをどうつくっていくかを一緒に議論できるといい」と語る浅沼 デジタル監)

質問③「行政デジタル人材を増やすには?」

宮坂 デジタル庁や東京都、GovTech東京、さまざまな区市町村にも公共のデジタルに携わりたいという志を持った人材が入ってきています。そういったデジタル化に志を持ってきた人たちが、「10年後、20年後にこういうキャリアがつくれるよ」というのはぜひつくりたいと思っています。

才能の量が増えている業界は、絶対伸びると思うんですよね。インターネットがなぜこの25年間で伸びたかというと、圧倒的に才能を集めたから。結局、そこに尽きると思います。

浅沼 そうですね。そこは意識してやりたいですね。国と都道府県、基礎自治体、省庁も含めて垣根をなくしていければ才能の総量がうまく上がりますよね。民間企業で公共分野に携わる方々ともつながって、「これだけ才能がある」「パワーがある」という状況をつくることはデジタル庁の役割としても大事だと思っています。

宮坂 ぜひ期待しています。

(※所属・職名などは取材時のものです)

●前編は以下のリンクからご覧ください。


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