本文へ移動

【代替テキスト】【世界有数の難解さ!?】住所表記の”揺れ”問題…待った!をかける「アドレス・ベース・レジストリ」とは

(映像:インタビューに答える清水珠里氏)

清水珠里氏

日本の住所っていうのはそもそも

世界でも有数の難解なシステムであるとまず言われてます。

(映像:表記揺れのある地域の地図画面)

テロップ

東京都千代田区紀尾井町1番3号

東京都千代田区紀尾井町1-3

東京都千代田区紀尾井町1の3

テロップ

星ケ丘

星ヶ丘

星が丘

テロップ

Map data © Mapbox © OpenStreetMap © ZENRIN © LY Corporation

ナレーション

日本をとりまく住所の表記方法の多様性

(映像:インタビューに答える田口仁氏)

田口仁氏

名称とか住所とかももう揺らぎありまくりなので

この人が作った避難所、この人が作った避難所というのは

別の情報になるのでじゃあどっちが正しいんだって

(映像:防災科研の作成した地図を見る自衛隊員)

テロップ

2016年 熊本地震

提供:防災科研

ナレーション

有事の際には大きな壁となることも

(映像:話しあうデジタル庁職員)

(映像:渡辺晃輔、中村弘太郎、一栁泰基の3面)

ナレーション

揺らぎの絶えない住所表記に「待った!」をかける取組が

デジタル庁で始まっています

(映像:渡辺晃輔、中村弘太郎、一栁泰基の3面)

テロップ「デジタル庁ニュース」

住所の表記揺れ問題を解決する

アドレス・ベース・レジストリ

00:44〜08:46

右上テロップ「住所の表記揺れ問題を解決する「アドレス・ベース・レジストリ」」

(映像:LINEヤフー本社ロビーの雑感)

ナレーション

都内に拠点を置く、大手IT企業です

(映像:ヤフー地図の画面)

テロップ

Map data © Mapbox © OpenStreetMap © ZENRIN © LY Corporation

(映像:パソコンで仕事する清水珠里氏と大久保晃子氏)

テロップ

LINEヤフー株式会社

マップエクスペリエンスチーム

清水珠里氏

テロップ

LINEヤフー株式会社

マップエクスペリエンスチーム

大久保晃子氏

ナレーション

ここで、ダウンロード数・延べ3300万越えの地図アプリを担当する

大久保さんと清水さんは、

日々住所データの更新など地図情報の管理を行っています

ナレーション

こうした中、困っていることが

(映像:インタビューに答える清水珠里氏)

清水珠里氏

同じ場所を表す住所でも表記のし方が複数存在するっていうことが起きています

住所の“表記揺れ”というのが問題になりますね

(映像:都内空撮イメージ)

ナレーション

住所や位置情報を扱う業界で今大きな課題となっているのが“表記の揺れ”です

(映像:表記揺れの例)

テロップ

数字部分の揺れ

東京都千代田区紀尾井町1番3号

東京都千代田区紀尾井町1-3

東京都千代田区紀尾井町1の3

Map data © Mapbox © OpenStreetMap © ZENRIN © LY Corporation

ナレーション

例えば何丁目何番地を漢字で表すのかそれとも

数字とハイフンで表すのかなど住所の表記方法は様々です

(映像:表記揺れの例)

テロップ

大字が省略されるケース

青森県弘前市大字上白銀町1-1

青森県弘前市上白銀町1-1

Map data © Mapbox © OpenStreetMap © ZENRIN © LY Corporation

(映像:表記揺れの例)

テロップ

郡が都道府県が省略されるケース

和歌山県日高郡みなべ町芝742

和歌山県みなべ町芝742

みなべ町芝742

Map data © Mapbox © OpenStreetMap © ZENRIN © LY Corporation

(映像:表記揺れの例)

テロップ

2通りの住所が存在するケース

正式住所:別府市大字鶴見940番地の2

通称住所:別府市火売8組1

Map data © Mapbox © OpenStreetMap © ZENRIN © LY Corporation

清水珠里氏

大字とかが省略されたりするケースとか

あとは郡や都道府県が省略されるっていう、こちらのケースもあります

通称住所でこの自治会名とか行政区名を

住所として表記している地域ってのもありまして

正式名称と2通の住所が存在するというケースもあります

(映像:表記揺れの例)

テロップ

Map data © Mapbox © OpenStreetMap © ZENRIN © LY Corporation

ナレーション

こちらのサービスではあらゆる表記方法でも検索できるよう

地図のシステムを改良し続けていますが

物流などへのトラブルもあるといいます

(映像:インタビューに答える清水珠里氏、大久保晃子氏)

清水珠里氏

誤配とかもやっぱり、よく問合せが来たりとかあります

(映像:置き配のイメージイラスト)

大久保晃子氏

コロナになってから増えたのは置き配が多くなったっていうことがあって

あたってる場所は正しいんだけど

隣の家も同じ住所だったみたいなこともありますので

(映像:インタビューに答える清水珠里氏)

清水珠里氏

違う場所をルート案内で案内されてしまったみたいなことがあると、

やっぱりこのサービスとしての信頼が落ちてしまうっていうところが

大きな課題かなと思っています

清水珠里氏

いろいろこういうパターンで検索されても

同じ場所がちゃんと当たるようにっていう整備をしています

(映像:インタビューに答える田口仁氏)

ナレーション

一方、こうした住所の表記揺れが、

有事の際に混乱を引き起こす可能性があると指摘する声もあります

(映像:インタビューに答える田口仁氏)

テロップ

防災科学技術研究所

総合防災情報センター

田口仁博士(工学)

田口仁氏

住所の表記が違ったら、

じゃあそれって別の場所なんだろうかとか、

避難所2つなんだろうか、1個なんだろうかっていうことに

もしかしたらなるかもしれないので

(映像:防災科研での地震の実験映像)

(映像:防災科研での大雨の実験映像)

(映像:防災科研での浸水の実験映像)

テロップ

防災科学技術研究所

提供:防災科研

ナレーション

自然災害に関する研究や開発を行う防災科学技術研究所

(映像:防災科研での地震の実験映像)

(映像:インタビューに答える田口仁氏)

(映像:熊本地震での被害の様子)

テロップ

2016年 熊本地震

発生直後から現地の災害対策本部で情報支援

ナレーション

ここで地図データを使った災害対応など防災情報の研究を行う田口仁さんは

2016年の熊本地震の際、

地震の発生直後から現地の災害対策本部へ情報の集約作業などの支援に入りました

(映像:インタビューに答える田口仁氏)

田口仁氏

複数の部局、災害対応機関が

避難所の情報というものを個別に作っているということが分かりました。

(映像:防災科研の作成した地図を見る自衛隊員)

テロップ

提供:防災科研

ナレーション

そこで、支援を円滑に進めるため、

避難所の情報を1つにまとめようと作業を始めましたが…

(映像:防災科研の作成した被災情報をまとめた地図をもとに

インタビューに答える田口仁氏)

田口仁氏

名称とか住所とかももう揺らぎありまくりなので

同じ避難所であっても

この人が作った避難所、この人が作った避難所っていうのは

別の情報になるのでじゃあどっちが正しいんだっていう話であるとか

判断に悩むことは多々ありました

(映像:インタビューに答える田口仁氏)

ナレーション

災害時においても、住所の表記揺れが大きな壁となる中

田口さんはある取組に期待を寄せています

田口仁氏

“アドレス・ベース・レジストリ”に基づいて

住所表記がしっかり統一される形になっていくのがあるべき姿かなと思っています

(映像:地図イメージ)

テロップ:

Map data © Mapbox © OpenStreetMap © ZENRIN © LY Corporation

ナレーション

デジタル庁が整備を進めているデータベース

アドレス・ベース・レジストリ

(映像:アドレス・ベース・レジストリの図説)

ナレーション

これは各所でバラバラに管理されている住所や

所在地の情報を標準化することで

国民の利便性向上や行政運営の効率化を推進するもので

ナレーション

誰もが、簡単に正確なアドレス情報を利活用できるようになるのです

(映像:デジタル庁外観)

ナレーション

アドレス・ベース・レジストリのオープン化に向けて開発を担当するデジタル庁

(映像:デジタル庁職員が作業する様子)

ナレーション

作業が佳境に入った今年1月、担当チームの開発現場を取材しました

(映像:作業する中村弘太郎)

テロップ:

デジタル庁

ベース・レジストリ

データスペシャリスト地理空間情報担当

中村 弘太郎

ナレーション

現場の作業を指揮する中村は

普段は地図会社に勤務しながら民間出身の専門人材として

アドレス・ベース・レジストリの整備を担当しています

(映像:インタビューに答える中村弘太郎)

中村弘太郎

地域地域によって、色んな流儀で住所が作られていたりですね

市町村合併とかもあったりして、

何が正解か分からないみたいなという状態になっているっていうのが現状なんですね

(映像:情報収集の図説)

ナレーション

データを統一するためには

まず全国全ての市区町村から住所の情報を集める必要があり

(映像:作業する一栁泰基)

テロップ:

デジタル庁

一栁泰基 参事官補佐

ナレーション

各自治体や関係機関などとの交渉は、行政官が担当しています

(映像:インタビューに答える一栁泰基)

一栁泰基

市区町村を合わせると1741の自治体さんがございますので

全部の自治体さんに対してまず依頼を投げるんですけれども

住所を扱っている部署が自治体さんによって

総務部門だったり、市民課さんだったり、固定資産を扱っている部門だったり様々

自治体さんによって異なるので依頼がなかなか届かない

まず、そういうところがかなり苦労した点の1つになります

(映像:デジタル庁職員が作業する様子)

(映像:地図を表示するモニター画面)

ナレーション

自治体から集めた住所データは

国土地理院など国が持つデータと照らし合わせながらマスターデータとして整備され、

アドレス・ベース・レジストリに反映されていきます

(映像:話し合うデジタル庁の職員)

ナレーション

しかし、自治体から集めた住所の中には職員が頭を悩ませる事例も

一栁泰基

同じ町字の名前が2つあったりするので、

区別して登録すべきかどうかについてご相談したい

渡辺晃輔

郵便番号も異なりって書いてあるんですよね

中村弘太郎

あ、ホント、なるほど

一栁泰基

だから、郵便番号検索で、下の方で検索しちゃうと

中村弘太郎

アンマッチになってしまう

渡辺晃輔

アンマッチとかがありえるかなぁ

ナレーション

行政人材と民間出身人材が、

知恵を出し合いながら進めるアドレス・ベース・レジストリの整備

(映像:作業する渡辺晃輔)

テロップ:

デジタル庁

ベース・レジストリ

データスペシャリスト地理空間情報担当

渡辺晃輔

ナレーション

さらに、その活用を推進するためのツールの開発も行われています

渡辺晃輔

住所の文字列同士で比較して、例えばこの施設とこの施設は同じだねとか、

“名寄せ”って言うんですけど、できるようになります

(映像:整備したツールの図説)

ナレーション

開発されたツールを使えば、

入力された住所における様々な表記揺れを吸収し、

正しい住所や位置情報などを得ることが可能に

(映像:熊本地震の際名寄せできなかった様子の図解)

テロップ

提供:防災科研

ナレーション

熊本地震で課題となった、災害時の情報集約も、効率化されることが期待されます。

(映像:原課開発風景)

ナレーション

およそ3年にわたる開発期間を経て公開される、アドレス・ベース・レジストリ

ナレーション

現在整備が進む町字情報に加えて

2025年度中を目途に、郵便番号を入力すれば、

表記揺れのない正しい住所が登録される機能の実装も目指しています

(映像:インタビューに答える杦浦さん)

テロップ:

デジタル庁

杦浦維勝 参事官

杦浦参事官

もう一歩先を言えば、

そもそも住所がある程度自動で入力されるような、そういった世界

DXのまさに典型というか、それはこう皆さんにとっても便利ですし

例えば自治体とかその国の行政機関が処理をする、事務処理をする際

間違いもなくなるし、自動化されればその分手間も下がると、

国民全体で言えばコストも下がってくると

そういったところを狙っていきたいと思ってます