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【代替テキスト】新しいリーガルサービスや政策立案プロセスを創出する 「法令」×「デジタル」の取組

(映像:転入届イメージ)

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

法令というのはプログラミングのコードに

よく似ているなということです。

(映像:カメラに向かって話す安井さん・プログラミング画面 2画面)

安井謙介氏:

法令APIを活用した建築確認申請の自動審査システムです。

(映像:カメラに向かって話す山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省)

テロップ:

デジタル庁 戦略・組織グループ

山内匠参事官補佐

※現 総務省

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

法令データの利活用促進、それから法制事務のデジタル化、

これはデジタル技術を最大限に活用した効果的な政策立案を

行う未来像、これに向けた第一歩だという風に考えています。

(映像:カメラに向かって話す山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省)

00:32~01:47_右上

・法令データ整備|法令API

テロップ:

デジタル庁 戦略・組織グループ

山内匠参事官補佐

※現 総務省

テロップ:

デジタル庁 戦略・組織グループ

八村美璃係員

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

法令というのは個人の権利義務とか経済活動に影響する

ルールでして、社会状況に応じて頻繁に改正がされます。

なので常に最新の情報を提供できるように、

デジタル庁では法令のデータベースである「e-Gov法令検索」

というのを提供しています。

(映像:e-Gov法令検索画面)

ナレーション:

「e-Gov法令検索」に格納されている法律や政省令などのデータを、プログラムで再利用できる形で提供するのが法令APIです。

(映像:カメラに向かって話す山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省)

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

このAPIを活用することで法令に関わる高度な専門サービス、それから一般の方向けにデータを加工して

提供するようなサービス、

こういった便利なサービスが開発できるようになります。

(映像:法令APIイメージ)

ナレーション:

2023年11月、デジタル庁は現在提供されている法令APIについて、キーワード検索機能や改正前の過去の条文の取得などの

機能を拡張したプロトタイプを開発し、一般公開しました。

(映像:法令APIハッカソンイラスト・集合写真)

ナレーション:

そしてこのプロトタイプを用いて

「法令APIハッカソン」を開催。

総勢14チーム、56人が参加しました。

参加者にどのような作品を開発したのか、お話を伺いました。

(映像:カメラに向かって話す安井謙介氏)

01:48~02:58_右上

・法令APIハッカソン

テロップ:

株式会社日建設計

チーム「bSJ」

安井謙介氏

安井謙介氏:

法令APIを活用した建築確認申請の自動審査システムです。

(映像:自動審査システムイメージ映像)

安井謙介氏:

建築物の設計が建築基準法に適合しているか、法令APIと

生成AI、BIMを活用することで、法令の条文から審査プログラムを生成し、自動で審査を行います。

(映像:カメラに向かって話す安井謙介氏)

安井謙介氏:

三次元の設計をするためのBIMっていう技術があるんですね。

建物を建てるときには確認申請という図面をまず提出して、

それを審査してもらわなければいけないプロセスがあるんですが、それをBIMで行おうというふうに考えています。

そこに自動審査システムを活用するプログラムを

今回開発したということになります。

(映像:カメラに向かって話す竹村龍悟氏)

テロップ:

東京科学大学

デジタル創作同好会

チーム「pyてょん3.0」

竹村龍悟氏

竹村龍悟氏:

e-Govのサイトで、例えば何法の第何条みたいなところがあったときに、それをクリックするとその法令がどういう内容なのかが確認できるようなブラウザの拡張ツールを作成しました。

(映像:拡張ツールイメージ)

ナレーション:

e-Gov法令検索の画面に参照先条文のポップアップ表示機能を

追加します。

(映像:カメラに向かって話す八村美璃係員)

02:58〜_03:26右上

・法令APIプロトタイプ まとめ

八村美璃係員:

法令APIの使い方もそうですし、法令データの仕組みっていうものがどういうものかっていうのを理解しやすくなるような

法令データドキュメンテーションというものも

e-Gov法令検索の画面上に今載っているので、

ぜひ多くの人に読んでいただきたいなと思っています。

(映像:法令×デジタル トビラ)

ナレーション:

法令にデジタルを掛け合わせることで、国家公務員の

働き方改善につながる取り組みも進められています。

(映像:カメラに向かって話す山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省)

03:26〜04:41_右上

・法令×デジタルによる国家公務員の働き方改善

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

法令の立案や審査などを行う業務というのを法制事務と

呼んでいるんですけども、政府で法律案だとか整理案の立案、こういったものを担当する職員は、

(映像:紙の資料の確認イメージ画像)

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

条文案が書かれた紙の資料だったり、PDFの資料だったり

するんですが、これを1字1句確認して、

誤りがないかをチェックする必要があります。

(映像:カメラに向かって話す八村美璃係員)

八村美璃係員:

私も前の担当で、

実は法令審査っていう担当だったんですけれども、

(映像:法案文章イメージ画像)

八村美璃係員:

立案の担当の方が作られた法案を目視でひとつひとつ

漢字の誤りがないかどうかとかっていうのを見るのは

ものすごく大変でした。

あと、インデントのずれなどっていうところの細かいチェックもありまして、デジタル庁の中でインデントチェッカーを

作ったりなんていうエピソードもありました。

(映像:カメラに向かって話す山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省)

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

この編集にはWordだとか一太郎というのを職員は

使っているんですけれども、作業中のワープロファイルの内容が個別の書類の体裁に依存しています。

そのため作ったデータ、

これが機械可読性が低いものになっています。

(映像:課題解決のため トビラ)

ナレーション:

こうした課題を解決するため、デジタル庁では

法制事務の助けになる機能の開発を進めています。

(映像:カメラに向かって話す山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省)

04:41~06:16_右上

・法制事務の助けになる機能の開発

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

私はもともと大学でコンピュータサイエンスをやっていて、

法令というのに触れたのは就職してからが初めてで、

(映像:法令イメージ)

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

そのときに気づいたのは法令というのは構造がプログラム、

プログラミングのコードによく似ているなということです。

(映像:カメラに向かって話す山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省)

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

プログラムを書くのが楽しい人は、

法令を書くのも楽しいと思います。

厳密な構造を厳密に書いて、それを処理するというような

ところが似ているんですけれども、

プログラミングにはあって法令にはないものがあります。

それは編集するユーザーを支援するツールです。

(映像:プログラミングイメージ)

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

プログラミングでは例えばエディターだとか、エラーを

チェックするツールとかデバッカとか、そういう便利な

ツールがあって楽しくコードを書くことができます。

(映像:カメラに向かって話す山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省)

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

法令書くのも楽しいんですけれどもこの法令、それを

支援するツールというのはプログラムと違ってありません。

手作業、目視、こういった作業で費やしてきた時間とか労力、これをデジタル技術で置き換えることで、

政策立案の内容面など、もっと本質的な作業に集中できるようにしたいというふうに思っていました。

(映像:法令の編集ツールの改善 トビラ)

ナレーション:

デジタル庁では、法令の編集ツールの改善や、機械可読な

データで編集中の条文を管理する仕組みの検討、法令APIや

生成AIを用いた法制事務補助の実験を行っています。

(映像:行政手続法イメージ画像)

ナレーション:

たとえば、

行政手続法第39条の意見公募手続きについては、

(映像:カメラに向かって話す山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省)

06:16~08:21_右上

・法令APIや生成AIの技術を利用した法制事務補助の実験

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

このパブリックコメントのルールというのは

法令に書いています。

その対応が必要かどうかというのを、

マニュアルを作るときの参考にできるようなもの、これをAIを活用することで作れないかというのを実験いたしました。

(映像:フローチャート画像)

ナレーション:

行政手続法上、パブリックコメントが必要かどうかを検討するフローチャートを作成する実験です。

条項ごとに細かく分岐がわかるようにするほか、

図を書く際の注意をAIに指示して出力がなされています。

(映像:カメラに向かって話す山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省)

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

この図自体は出力することができました。

ただ中身をよく見てみますと項目が網羅的でなかったりとか、違う条項を参照しているものというのが一部ありまして、

こういった課題が残っています。

こういったことは生成AIを使うとよくあることなんですけれども、法律の解釈ができる職員が内容の修正を行うということをちゃんと前提とすれば、

こういった技術でも作業時間の短縮には

つながるんじゃないかというふうに考えています。

(映像:カメラに向かって話す八村美璃係員)

八村美璃係員:

今は調査実証の事業の中で実際に生成AIを利活用して、

この法制事務のデジタル化の分野でどのようなツールを

作ることができるのかというところで幾つかプログラム開発を行っています。

最近ではそのツールを開発するときに、まさに法制事務に

携わっているような省庁の職員の方を集めて、

この芝生でクローズドテストを行いました。

(映像:法令×デジタルツールプロトタイプテストの様子)

八村美璃係員:

皆さんにいろいろな意見をいただきながら

使っていただく様子を見て、

本当にこれがうまく開発されたら

法制事務の負担が減るんだろうなっていうふうに

想像することができました。

(映像:法令×デジタル・効率的で合理的な政策立案プロセスへの活用 トビラ)

ナレーション:

「法令×デジタル」の取組が進むことで、効率的で合理的な、

政策立案プロセスへの活用も見えてきました。

(映像:デジタルツインイメージ)

ナレーション:

現実の空間におけるデータをデジタル空間に再現する技術を「デジタルツイン」と呼びます。

法令を社会のルールを記述するプログラムのコードのように

扱い、機械実行可能な形式とすることで、

法令や制度をデジタルツイン上で

シミュレーションすることが可能になるのではないか、

という研究や実証事業が各国で進められています。

(映像:カメラに向かって話す山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省)

08:38_右上

・「法令×デジタル」の未来像

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

ルールをまさにコードとして機械実行可能な形式で記述して、それによって法令の効果をシミュレーションしたりだとか、

直接実行することで政策立案や行政運営の効率化、

それから合理化などを目指すという考え方があります。

Rules as Codeというような言葉で呼ばれております。

法令をシミュレーションすることで、適切な制度改正を

適時行うことができれば効果が高いのでは

というふうに考えております。

この技術というのは今ない技術ですので、

技術の研究も必要です。

長期的な視点で継続的に取り組むために、デジタル法制ロードマップというものを提案させていただきました。

(映像:デジタル法制ロードマップ)

ナレーション:

デジタル法制ロードマップでは、一足飛びに法令や制度の

シミュレーションの実現を目指すのではなく、

まずは手作業や目視で法令データを維持管理している現状からデータの相互連携が進展する段階というように、

順次技術開発とデータ整備が高度化していくことが提案されています。

(映像:データ整備を表すイメージ図)

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

整備されたデータ、これを用いた新たな技術の研究開発、

それからその技術を用いた新たなデータの整備、

これを交互に高度化するというサイクルです。

(映像:カメラに向かって話す山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省)

山内 匠 参事官補佐 ※現 総務省:

法令データの利活用促進、それから法制事務のデジタル化、

これはデジタル技術を最大限に活用した効果的な政策立案を

行う未来像、これに向けた第一歩だというふうに考えています。

(映像:カメラに向かって話す八村美璃係員)

八村美璃係員:

デジタル庁では、リーガルテックの分野を盛り上げたり、

そして各省庁の皆さんの法制事務を助けていくことで、

利便性の高いサービスがたくさん生まれていく社会を

目指しているところです。

2024年度も法令APIハッカソン2回目開催する予定です。

ぜひホームページからチェックしてご応募ください。