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「新マイナポータル」 ユーザーの声を聞いて改善を重ね 2024年3月デビュー

2024年3月、新たにリリースした「マイナポータル新正式版」。

さまざま行政サービスの入り口となるマイナポータルの刷新を、開発チームはどのように進めたのでしょうか。

デジタル庁 プロダクトデザイナー 横田 結とデジタル庁 参事官補佐 谷島 輝亮が、リリースまでの道のりと今後の展望を語ります。

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画面デザインやユーザー体験を抜本的に刷新

民間企業出身でマイナポータル開発に参画しているデジタル庁 プロダクトデザイナー 横田 結の写真

(民間企業出身でマイナポータル開発に参画しているデジタル庁 プロダクトデザイナー 横田 結)

行政視点からプロジェクトを推進するデジタル庁 参事官補佐 谷島 輝亮の写真

(行政視点からプロジェクトを推進するデジタル庁 参事官補佐 谷島 輝亮)

――以前のマイナポータルの使い心地や課題は?

横田 今までのマイナポータルは、利用者の方々がアクセスしてきた時に頭に入ってきやすい並び方になっていないなどの課題がありました。さまざまな制約があるなかで工夫されていると分かる一方で、率直に言うと『使いづらいだろうな』と感じていました。

谷島 情報を正確に伝えようとするあまり、説明の文章が長くなったり多くなったりするのは利用者視点からすると使いづらい面もあったと思います。そういった課題を解決するために、横田さんら民間人材の方々とも協力し、画面のデザインや利用者体験を抜本的に刷新しています。

横田 今回の開発にあたっては、コンセプトを何パターンかつくって、行政官の方々に相談しながらシステム上の制約、法制度の制約など、問題を切り分けていきました。何をメインに持ってくるか、何をサブに持ってくるかという情報の優先度を入れ替えるなど、理解しやすいものに直していくという工夫もしています。

2024年3月に公開した「マイナポータル新正式版」のトップページ画像

(2024年3月に公開した「マイナポータル新正式版」のトップページ)

谷島 1画面で表示するのではなく、例えば最初は情報を閉じておいて、必要な人が必要な時に見られるようにしておくなどの見せ方の工夫もありますね。そういった工夫がたくさんあるなど、行政官が持っていなかった視点を提供してくれています。

ユーザーの声を聞きながら改善を繰り返す開発スタイル

――2024年3月の「マイナポータル新正式版」のトップページ公開までに、「マイナポータル実証版」を公開し改善を繰り返すという開発プロセスの狙いは?

横田 従来のマイナポータル正式版を使っていただく一方で、一部の機能から利便性を検証する実証版をリリースし、それらを並行させる進めかたを構築しました。

ユーザーからのフィードバックを各関係省庁と共有して、どんな原因で起きているかを一緒に考えながら政策やプロダクトに反映するループをつくろうとしてきました。行政としての観点はしっかりと踏まえつつも、たくさんの機能を作りきってからリリースするやり方とは異なる、新しい文化、開発手法を導入できたと思っています。ここは今後も拡大していきたいポイントです。

――これまでのマイナポータルの機能の充実や今後追加する機能は?

谷島 引越しの手続きやパスポートの一部の手続きができるようになりました。24年から、給与所得の源泉徴収票の情報を確定申告手続きに連携し、申告がより簡単にできるような機能を追加しています。

その他、医療関係情報についてはもっとさまざまな情報を見られるようになり、予防接種の予診票の入力ができるようになるなどの機能を追加する予定です。

引越し手続きやパスポートの一部手続きが可能なマイナポータルの画像

(引越し手続きやパスポートの一部手続きが可能なマイナポータル。2024年から源泉徴収票の情報と連携できるようになり、確定申告が簡単にできる機能も追加しています)

さらなる利便性を追求するマイナポータルの未来形とは?

――マイナポータルの今後について教えてください。

谷島これからも利用者のみなさまの声を聞きながら、もっと便利で使い勝手がいいものになっていくと思います。閲覧できる情報や申請できる手続きなどもどんどん拡大していきたいですね。デジタル庁だけでできるものではないので、関係省庁と足並みをそろえて連携しながら進めていきたいと思います。

横田デジタルサービスを使いたいと思ってくださる国民や住民の方々にできるだけ多くの手続きやサービスでマイナポータルを使っていただけるようにすること、そのプロセスとして、多くの事業者や自治体とコラボレーションしながら進んでいくのがやるべきこと。

より大きな課題解決には、多くの省庁のみなさん、多くの自治体のみなさんの協力が必要になると思うので、一緒に取り組んでいただける環境をつくるのも、一つ大きな展望だと思っております。

(※所属・職名などは取材時のものです)

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