【代替テキスト】「誰一人取り残されない」を実装するデジタルプロダクト開発の現在 デジタル庁 統括官 楠 正憲
- 公開日:
00:00:00〜00:18
楠:デジタルが押し付けられるようではいけない
ジェネレーションとか地域の問題ではなく その人の好き嫌いの時代になってきた
倒れるなら前に倒れた方が 後ろに倒れるよりも学ぶことあるんじゃないかな
テロップ「デジタル庁ニュース」
「「誰一人取り残されない」を実装するデジタルプロダクト開発の現在」デジタル庁
総括官 楠正憲」
00:27〜00:59
楠:デジタル庁が立ち上がる前から政府CIO補佐官をやっていたので
マイナンバー制度の立ち上がりとともに「情報提供ネットワークシステム」や「マイナポータル」とか
マイナポータルとつながっている
電子申請の「ぴったりサービス」をつくっていました
コロナのときに特別定額給付金のオンライン申請をどうやっていくかであったり
「接触確認アプリ(COCOA)」「ワクチン接種記録システム(VSR)」や
その後の「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」等も関わっていましたね
テロップ「テーマ①プロジェクトから得た学びは?」
01:05〜02:41
楠:マイナポータルを立ち上げた時は
つくっている最中にどんどんブラウザーがセキュリティー強化で仕様が変わっていったんですね
できあがったものを見ると
設計にかかわっていたはずの自分がログインに十何分もかかってしまって
半年ぐらいかけてつくり変えるというようなことがあったり
ある程度ベストを尽くした上での失敗というのは
変えなければいけないところが見えてくるということと
次にチャレンジをする時に避けなければいけないことも見えてくるという意味では
糧でしかないから
「ワクチン接種記録システム」は短期間で割とちゃんとしたものがつくれたかなと
新型コロナ1年目はかなりひいこらいいながら
クラウド上で短期間でシステムをつくるというのをやってみて
その反省が翌年ぐらいには活きてたのかなと思います
2023年のマイナンバー法の改正もありましたけれども
ここでも戸籍のふりがなを入れるとかも
2020年に給付金が滞った反省を踏まえて「やるべき」と言ったことが
自分の仕事になったパターンかなというふうに思いますし
「新しいもの好き」ではあるので
AIはもともとデジタル庁としてやるかどうかも決めてない時から
これは結構仕事のやり方が変わるから ちゃんと取り組んだ方がいいよねというようなところは話をしていて
デジタル庁としてやるべきことというのを一緒に考えてきた
テロップ「テーマ②これまでの成果とさらなる課題は?」
02:47〜04:32
楠:行政機関というのは 基本的に法律で定められた制度をもとに動いているから
この制度をきちんとデジタル化していかなければいけないということもあるし
まだまだ世の中がデジタルに追いついていないというところを
どういうふうに解決をしていくかというところも大きなチャレンジだと思いますし
少なくとも内製部隊ができて
徐々にプロダクトが出てくるという意味では ちゃんと道を歩み始めた点で
非常に大きい一歩を この1、2年の中で歩んでいるとは思うんですけれども
どういうふうに民間、ベンダー、他の自治体とのコラボレーションをしていくのかとか
国の役割と市場で提供されるものとの関係とか含めて
まだ整理できていない部分というのは95%以上あると思っていて
ものをつくれるようになったらゴールということではなくて
全体の底上げをどうやって産業としてできるのかみたいなことも
ちゃんと考えながら
どうやって全体にスケールする政策に落としていくかというのはまだまだこれからなのかなというふうに思います
ちゃんとチャレンジして経験を積んで
すごいと思ってもらえるようなものを 世に問えるような
そういう世界も一緒につくっていかなければいけないんだろうなと
そのためには
調達の仕組みであったりとか 組織のありようであったりとか
コラボレーションのやり方とかもいろんなことを変えていかなければいけないのかなというふうに思います
テロップ「テーマ③AI技術の動向や現状は?」
04:37〜05:51
楠:2022年は大きい変化がありましたよね
夏の終わりごろに「Stable Diffusion」ってお絵描きAIがだいぶ流行りましたし
あと11月の終わりに「ChatGPT」が出てきて
この1、2年でかなり劇的に状況が変わっていて
テキストでのやり取りだけかと思っていたら
今はもう絵も読めるようになったり
どう使おうかという議論は政府も含めていっぱい議論してるのですけれども
どこまで使えるかって実際に触らないとわからないし
これを業務で使おうと思うとセキュリティの問題とかデータ漏えいにならないようにどうするかとか 色々な課題があるから
正直まだ「便利だからどんどん使っていきましょう」というところまでは行っていない
むしろ 社会でこれをどう受け止めてどういうルールをつくっていくかとか
クリアしなければいけない問題がいっぱいあって 今まさに議論をしている中で
ちゃんとみなさんが試せる環境を用意をして 実際に肌感としてわかった上で
どうやって「これはまだ早いね」とか 「ここから使おうか」みたいなところが
地に足の着いた議論ができるといいのかなと
テロップ「テーマ④デジタルプロダクト開発を進めるには?」
05:57〜06:39
楠:できるまで諦めなきゃいいじゃんというふうに思っていて
本当に「VRS(ワクチン接種記録システム)」が3か月なりでできるかなんてわからないので
場数を踏んだ人のずるさじゃないですけども
とりあえず「やってみます」とは答えてみるみたいな
でもやっぱり何か起こった時って誰かやらなければいけないので
倒れるなら前に倒れた方が 後ろに倒れるよりも学ぶことあるんじゃないかなって思うので
一度やるとみんなできる気がしてくるので そこは何かやってみたらいいのかなと
誰だって最初は初めてなんだしっていうような感じで
とりあえずやってみるということかなと思ってます
テロップ「テーマ⑤デジタルを広く使ってもらうには?」
06:44〜08:23
楠:私はたまたまガジェット好きなので
スマホが手元にあればついつい触ってしまうし
新しいものが出てきたら試してみようと思うんですけども
世の中 きっとそういう人たちばかりではないし
行政って多くの場合 手を差し伸べる必要がある方々に対して
どうやってこれをデリバリーしていくかということで
デジタルが押し付けられるようではいけない
意識しないでいいようにしていけるのが理想であって
別にみんながみんな何でもかんでもスマホでやるという世界ではきっとないんだろうと
ただ思うのが昔はお年寄りがデジタル苦手とかってイメージでしたけど
それはもう違うんじゃないの
私の学生時代とかであれば お年寄りがIT苦手みたいなイメージも多少はあるんでしょうけれども
今の職場の50代60代70代で 私よりITできる人しか周りにいなかったので
あまり世代の問題とかではないよなと
今の子供たちの方がもうほとんどパソコン使わなくなって
ブラインドタッチとかむしろしないんじゃないとという意味では
もうジェネレーションとか地域の問題ではなく その人の好き嫌いの時代になってきたから
そうなるとみんながみんなIT使うのではなくて
その人が心地良く生きていけるようにしていかないと違うんじゃないかなという気がしますよね
テロップ「デジタル庁」