【代替テキスト】RegTechが支えるインフラメンテナンスの未来
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生活に欠かせない道路や橋といった社会インフラは今
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人口減少・少子高齢化が進むにつれて
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安全性を保つ専門家の人手不足に悩まされています
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こうした社会課題解決の切り札となりうるのが
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デジタル技術によるインフラメンテナンスDXです
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インフラの安全を維持し 未来につなげるため
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アナログ規制の見直しとメンテナンスDXが進んでいます
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江崎 浩先生にお越しいただいております
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今日はよろしくお願いします
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デジタル化を妨げるアナログ規制
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インフラメンテナンスの分野では
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安全性を確保するために 人が出向いて
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ひび割れや錆などを定期的に検査することが義務付けられていました
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デジタル庁はこうしたアナログ規制を見直し
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目視の代わりにドローンで撮影することや
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人の代わりにセンサーで常時監視するといった
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インフラメンテナンスDXを進めています
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インフラメンテナンスのデジタル化というふうに言いますが
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具体的にはどういったことができて
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どういうメリットがあるのか 教えていただけますでしょうか
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1つには人と同じクオリティのもの
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同じファンクション 機能というものを
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機械が提供してあげるということができる
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人がやらなくていいということは
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そのデータなどに対しての責任をその人が持たなくていい
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具体的には 工場でのデータ改ざんということが起こっていましたけども
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経営層に迷惑をかけないように
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忖度をしてデータを改ざんしていたというケースがほとんど
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現場は改ざんをして心理的につらいし
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経営層は本当のことが分からないというふうになりやすい
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人のマンパワーが要らなくなりますっていうことだけではなくて
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精神的にもいいんじゃないかと
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精神的な安定性は重要なファクターですので
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それをデジタルが提供してくれるということになりますね
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2つ目が重要で
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すでに皆さん AIのマジックをもう経験してますよね
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生成AIブームが今 はい
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もはやデジタルのほうが人間の能力よりも優れているということが
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どんどん皆さん分かってきている
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それを前提にして物事を考えていきましょう
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例えば非常に高いとこにあるものを見るというのは人間では難しい
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マシンだったら 簡単にしかも正確にできますよね
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人が登って測定するというのは 非常に風が吹いたり
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怖いし 早く終わらなきゃいけないから うまくデータがとれない
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機械でやれば正確にとれるということが起こります
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それからもう1つ言えることは デジタルツインってよく言うんですけども
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人間が認識している空間というのを完全にデジタルでコピーできる
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そうすると そのデータから素晴らしいシミュレーションができる
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「条件を変えたときに何が起こるんでしょう?」ということができる
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災害時の対応みたいなことを考えてみると
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今まで人間が経験していないぐらいの雨が降るとか
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風が吹くとかということが もう起こりつつあるわけですよね
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それが起こったときに どういうふうに実際に動くのか
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かなり正確なシミュレーションができるようになってきている
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これはデジタルツインというものの性格なわけです
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そうすると今までできなかった 予想できなかったことへの対応を
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シミュレーションしてそれに対応するようなレギュレーションを作る
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ということがもう起こり出してると思いますね
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社会インフラみたいに大きい構造物になってしまいますと
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なかなか実験もできないし
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そもそも人の生活に日々役に立ってるわけなので
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一定期間封鎖してテストするというのも難しいでしょうし
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それがデジタルツインにすると
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いろんな想定外の状況を再現なりシミュレーションをして
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だからここを補修しとかなきゃいけない という手が打てる
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どこにどういう投資をすればどういう結果が期待できるか
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シミュレーションで分かる
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しかもその提示は定性的なものじゃなくて数値として
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「このぐらい危ないんですよ」ということが出てくる
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コスト面を考えても安くなりますか?
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そうですね やっぱりデジタルのテクノロジーって
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基本的には指数関数上でコストが下がっていくのが続いているので
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コストは下がっていく
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これからデジタル時代になりますと
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いろいろなデータとか経験を共有するのが楽になっていくはずで
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そういう時代に このインフラ分野というのは
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どういうことが変化として起きてくるといいでしょうか?
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デジタルのおかげで皆さんが今 経験していらっしゃるのは
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家にある在庫のおもしろいものを
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オンラインに上げてリユースしてますよね
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情報と資源を共有できるようになると
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インフラも同じように変わるでしょうね
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資源とかコンピュータとかコンクリートを再利用できるんですよね
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そうすると みんなで共有できちゃうわけですよ
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共有できるとすごくコストが下がるし 地球に優しいわけです
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地球に貢献するということは次の世代に貢献するんですよ
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自分の利益が 他の人の利益になる
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こういう構造をつくるのがデジタルのとても重要な機能でもありますね
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アナログ規制が技術の導入の妨げになっているものをどかしていった先に
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インフラのメンテナンスの分野はどういうことが例えば起きえますか?
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もしかしたら規制を増やす
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新しい規制をつくることになるかもしれないんですけど
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道路工事する時は 道路を剥がして土を掘っていくわけですけど
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ある深さになったら手でやらないといけないんですよ
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なんでかというと どこに管があるか分からない
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ガス管とか水道管とか いっぱい埋まっていて
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(管が)どこにあるかを観測するテクノロジーも出てきている
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それからもう1つは 工事したときに写真撮って上げれば
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どこに何があるかデータはとれますよね
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そうすると手作業でやってるとこを全部ロボットでできたり
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建設機械が もうロボット機械 自動で掘削していく
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新しい規制になるかもとおっしゃったのは 例えば
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工事した後に写真を提出してアップしなさいという規制を入れておく
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それによってみんなが正しい地図を共有できるようにする
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それは非常にみんなにとって とても簡単なことなんだけど
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それでものすごい利益を僕らは得るわけですよ
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中古車市場で健全な中古車をちゃんと判別するために
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正しいデータを出すみたいなことに似ている
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保険会社も既にやってるじゃないですか
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保険金を決めるためにドライブレコーダーをただで付けている
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そのドライブレコーダーで自分の履歴をちゃんと提供すると
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自分の保険金は下がる というモデルがもう動いている
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そのときに何をルールにしなきゃいけないかというのは
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前とは違うお話なんですね
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それがデジタルでできるということは
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新しいルールをつくれば新しい未来がくるということですね
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デジタル庁は アナログ規制見直しに取り組む関係者のコミュニティ
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「RegTechコンソーシアム」を立ち上げ
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ピッチランや勉強会などのイベントを定期的に開催しています
00:08:39,933 --> 00:08:42,966
関係者間のネットワーク化を進めることで
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RegTechのリアルな動向を踏まえた
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新しい規制のあり方を模索していきます